【はじめてのごはん】ほんのり沖x千鶴
嵌りたてのときに書いたSSがでてきたので、アップします。
・・・色々と間違ってるかもですが、スルーしてやってください::
新選組にきて初めてのご飯風景なお話です。
それでも、OK~という方はどうぞv
▼読んじゃう?▼
それは私が屯所にやってきて最初の夕餉のときだった--
「ぶっ・・・!!!!?????」
お行儀が悪いと自分でも思うけど、お味噌汁に口をつけた途端に私はそれを吹き出しそうになった。
周囲を見回したけど、誰も吹き出したりはしていない。
普通に食事をしているように見える。
とりあえず、ご飯で口直しをしてからお浸しに箸をつけた。
味がない・・・・・。
じゃ!っと思い、今度は焼き魚に箸をつける。
「・・・・・・」
これって・・・・・。
これはもしかすると、私への嫌がらせなんだろうか・・・。
わざわざ私の食事だけ?
この人たちがそんな陰険なことするだろうか。
いや、この人たちは必要ないと思ったら回りくどいことはぜずにすぐに私を殺すだろう。
などと、自分の前に置かれている膳をジッと眺めながら考えに耽っていると、脇の方からもの凄い速さで箸がのびてきてあっという間に私の膳に置かれていた焼き魚を奪っていった。
「なんだよ、いらねーーんだったら貰うぞーー」
私が返事をする前に平助くんはその焼き魚に口をつけていた。
あ、その焼き魚は・・・・
けど、平助くんは気にすることもなく平然と食していた。
「あの・・・平助くん、ソレ・・・」
「なんだよ、返せっていってももう食っちまったぞ。」
「ううん、そうじゃなくて、その焼き魚、半生じゃなかった?」
「なんだ、そんなことかよ。そんくらいどーってことねーよ」
「????」
「屯所じゃ飯を食えるだけいいって!!」
「!!!!」
「・・・ねぇ、平助くん。ちなみにご飯って誰がつくってるのかな?」
「そんなの隊士で当番制でやってるに決まってんじゃん。」
これが”普通”ってことは他の人が当番になっても、一般の”普通”にはならないんじゃ??
この事実を知った私は自分の立場も忘れて土方さんに”お願い”していた。
ありえない、こんな食事を毎食なんて。
医者の娘としての使命感(?)に思わず火がついてしまった私だった。
「近藤さん、土方さん!私も食事当番に入れてください!!!」
渋い顔をしたのはやはり土方さんだった。
「あっ?何、言ってやがる。お前、自分の立場が分かって・・・」
「分かってます!!でも、これはさすがに皆さんのお身体にも悪いです!!」
近藤さんと土方さんに”お願い”していると、後ろから飄々とした声がかかった。
「ねぇ、本当に君自分の立場わかってるの?近藤さんを困らせるような聞き分けない子は斬るよ?」
「どうぞ、お好きなように。こんな食事を続けていたら病気になるか食事に当たってしまうのも時間の問題ですから!!今、斬られようと、そんなに差はありませんっ!!」
「でも、君が食事に毒を入れる可能性だってあるんじゃない?」
「そんなことしません!!なら、沖田さんが私を見張っていればいいじゃないですか」
挑むように沖田さんの新緑の瞳を睨む。
すると、さも面白いものを見つけたように沖田さんの唇が弧を描いた。
「・・・だそうですよ、近藤さん。僕が食事当番のときなら千鶴ちゃんも当番に入れてもいいですよ。少しでもおかしな行動でもしてくれれば斬る理由ができますし♪」
「こ、こら、総司。雪村君に軽々しく”斬る”とか言うな。怯えてしまうじゃないか」
「そうでもないみたいですよ?」
私は許可をもらえるのならと、ジッと三人のやり取りを見ていた。
そんな私を他の隊士の方が面白そうに見ているのにも気付かずに。
「雪村君。総司がこう言っているが、本当にいいのかね?」
「はい、もちろんです!」
「近藤さん!!こいつに食事の準備させるのはいくらなんでも・・・」
「いいじゃないか、雪村君一人で準備するわけでもないんだし。総司もついてるわけだしな」
「いや、それも心配の一つなんだが・・・」
「いいじゃないですか、近藤さんが”いい”っていうなら。あ、千鶴ちゃん僕の次の食事当番、明日の夕餉だから。」
「はい、よろしくお願いします」
「おい、何、勝手に話を進めてやがる!」
「認めてやってもいいじゃないか、トシ。雪村君も総司もこう言っていることだし」
「はぁ。近藤さんには敵わねーな。ただし、だ。しばらく様子を見てから正式に当番に入れるか決めるからな。あんまり俺達と変わりないようなら当番には組み込まない、いいな?」
「はい、ありがとうございます」
夕餉も終わり、広間から出ていこうとする沖田さんを呼び止めた。
私が仮でも食事当番に入れてもらえることになったのは、一応沖田さんの言葉もあったからだ。
「あの、さっきは有難うございました。」
「あはは。本当に君って単純だね。言ったでしょ、僕は君を斬る理由が出来るのを期待してるだけだって。」
「はい、分かってます。それでも有難うございます。」
一瞬、沖田さんの瞳が驚いたように見開いたがすぐに笑みの色を浮かべる。
「本当に面白いよ、君。・・・明日の夕餉が楽しみだね~。」
そして、私の耳元に唇を寄せると、少し掠れたような声で囁いた。
「ね、千鶴ちゃん」
「っ!!!////」
や、やっぱり私ってばとんでもない人に助け船を出してもらちゃったのかも!!!!
<終わっとけ。>
††後書き††
薄桜鬼・初SSです。
しかも随分前のだ(汗)
ここまでお読みいただき有難うございました!