*第4話*同類嫌悪?
相変わらずグダグダ感満載です(^_^;
そして、ムダに長いです。
なぜ、こんなになってしまったのか。。。
薫お兄ちゃん再登場!!
沖田vs薫!!
そして、まさかの薫vs千鶴!!??
まさかまさかの沖田vs千鶴!!??
その真相とはっっっ!!!!!!(笑)
▼読んでみる?▼
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爽やかな朝に学園の敷地内から澄んだ鐘の音が鳴り響いている。
だが、爽やかさとは無縁だと主張するかのように、その学園の校門付近だけは暗雲が立ち込めていた。
その暗雲の原因は言うまでもなく、千鶴の兄・薫である。
そんな暗雲の立ち込めている校門へと向かって駆けてくる三人の生徒の姿がある。
三人が校門に到着したところで、鐘の音は鳴り止み一瞬の静寂が包む。
その静寂はすぐに少年の明るい声によって破られた。
「よっしゃー!ギリギリセーフっっ!」
だが、少年の声と同時に目の前の校門は無常にもガッシャンと音をたてて閉められる。
真っ黒なオーラを背負っている薫によって。。。
「残念だな。三人とも遅刻だよ」
「えぇー!!んでだよ、チャイム鳴ってたじゃんか!」
「・・・平助、毎度同じ事を言わせるな」
平助の抗議に冷静な声で告げたのは、機嫌最悪な薫の隣にいるというのにまったく動じていない青髪の生徒だった。
千鶴や平助の先輩にあたり、沖田、薫とは同級の斎藤一である。
腕には、浅黄色の段だら模様が施されている”風紀委員”の腕章が薫と同じように付けられている。
「どういうことだよ、一君っっ!」
「平助、学校では”先輩”と呼べと言っているはずだが」
「平助のバカは何度言っても分からないよね・・・っていうか、いつまで千鶴の手を握ってるわけ?早く、千鶴の手を離しなよ」
到着したというのに、未だにしっかりと繋がれた平助と千鶴の手--
薫の言葉で今さらながらにそれに気づいた平助は顔を赤くすると、千鶴の柔らかな手を名残惜しく感じながらもパッと手を離す。
「わ、悪りぃっっ、千鶴!!」
「ううん。どうしたの、平助くん?」
「なっ、なんでもねーっっ//!!そ、それより一君、遅刻ってどういうことだよ!」
平助がなぜ謝るのかが分からず、千鶴はきょとんと首を傾げる。
そんな様子にますます顔を赤くしながら、平助は誤魔化すように話題を”遅刻”の話に戻す。
だが、答えたのは意外にも沖田だった。
「門の中に入らないと意味がない、ってことじゃない」
「その通りだ」
「っっ!!で、でも、ほとんど間に合ったようなもんだろっ!!薫が門の前でんな風に鬼の形相でいるから入れなかっただけじゃんっ!!」
「・・・いい度胸だね、平助。僕のせいにするわけ?自分の寝坊を棚にあげて?」
「うっっ・・・」
「往生際が悪いぞ、平助」
「はじめくんまで~~」
平助がうな垂れると、千鶴は励ますように優しい声色で平助に声をかけた。
「しょうがないよ、平助くん。遅刻は遅刻だもん・・・」
「雪村・・・」
平助とは逆に潔い千鶴の姿に、千鶴への高感度がアップする斎藤の眼差しは千鶴へと固定される。
”いつものこと”にまたかと、千鶴以外の人間は溜息をつくが当の本人は気づいてはいない。
「あはは。また始まっちゃったねぇ。はじめくーん、戻っておいで~」
「はっ!!」
「あのさー、千鶴ちゃんが遅刻する度に、あつーい視線で千鶴ちゃんを見るのやめてくれるかなぁ」
斎藤恒例の”千鶴への高感度アップ”タイムを強制終了させるように、沖田の苦笑じみた声が斎藤へと向けられる。
だが、その瞳は笑っておらず、仄かに黒いものが背後に見え隠れしている。
そして、この場にはそれ以上に、最初から真っ黒なオーラを背負っている人物がもう一人いた--
その人物が言葉を発すると同時に、この場は極寒地へと来たかのような冷気が漂い始める。
「斎藤よりお前の方がタチ悪いけどな、沖田ぁー」
「どういうことかなぁ。僕は何もしてないと思うけど?平助みたいに千鶴ちゃんの手をねっとりと握ったり、一くんみたいに穴が空くほど千鶴ちゃんを視姦したり、してないけど」
殺気を向けてくる薫に動じることもなく、いつものように笑顔を浮べながら、つい先ほどの平助と斎藤の行動を誇張して言う沖田もイイ性格をしているものである。
・・・意地が悪いともいうが。
「な!ねっとりなんて握ってねーだろっ!!」
「言うにことかいて”視姦”などと・・・俺はそんなつもりはない」
一応、反論を試みた二人だったが、この超絶仲が悪い二人の耳には最早そんな言い訳など耳には入ってはいない。
「今朝のこと忘れたとは言わせないぞ、沖田っっ!!」
「今朝のこと?何のこと言ってるの、君」
「とぼける気か?」
「とぼける?僕、今日は君とは今、ココで会ったばかりだけど。・・・会いたくもなかったけどね」
「まだ誤魔化す気か・・・」
その会話を聞いて慌てたのは千鶴である。
薫の言っている”今朝のこと”とは、当たり前だがソウシのことだからだ。
この件に関しては、沖田は無実といえる。
予想していたこととはいえ、これをどう収めるかはまた別問題だ。
二人の様子を見ながら千鶴がオロオロしていると、ソウシの唐突ともいえる言葉が千鶴の耳にだけに届けられ携帯のネコの縫いぐるみへと視線を移す。
『ね、千鶴ちゃん。僕に”口づけ”してくれるかなぁ』
『くっ!?こ、こんなときに何言ってるんですか!』
『だって、千鶴ちゃんコレ、収めたいんでしょ?』
『そ、そうですけど、何でくちづけが関係あるんですかぁ///』
『ま、僕は別にこのままでもいいんだけどね。面白いし』
『元々はといえば、ソウシさんが沖田先輩のフリなんてするからじゃないですか!』
『うん、だから責任もって収めてあげようと思ったんだけど?』
『だから、何で収めるのにくちづけが関係あるんですか!?』
『うん、すれば分かるよ。・・・っていうか、”口づけ”って言ってもネコの人形にしてってコトなんだけど?』
『えっっ、ね、ネコ?』
『あのねぇ、今僕はネコの人形に入っちゃってるんだよ?』
『あ///』
『何、想像したわけ?千鶴ちゃん?』
『な、なんでもありません!!』
ネコの縫いぐるみとはいえ多少の緊張を感じながらも、顔を真っ赤にした千鶴は、ネコの縫いぐるみへとキスを落とす。
その瞬間、心臓がドクンと大きく鳴り、身体がカッと熱を持ったような感覚が千鶴を襲う。
だが、それも一瞬のことで次には深い水の中へ沈んでいくような、でも安心を与えてくれるような心地良さに誘われる。
トクントクンと、自分のとは違う心音が千鶴を包み込む。
その感覚に千鶴は覚えがあった。
それは昨夜、ソウシが千鶴の胸へ手をかざしたときに感じたものと同じだった--
千鶴がネコの縫いぐるみへと口付けたのと同時頃、薫のイラついた様な声が辺りに響いていた。
「忘れたっていなら、思い出させてやるよ。何で、今朝千鶴の部屋にいたんだっ!?」
人差し指を突きつけながら言われた薫の言葉に沖田は目を瞬かせた。
本気で目の前の男が何を言っているのかが分からない。
そして、斎藤、平助も驚きを隠せずに薫へと視線を向けるが、すぐにその視線は沖田へと注がれる。
その瞳には疑惑の色がありありと映し出されている。
「そ、総司、あ、朝からって・・・お前千鶴に夜這いかけたのかっっ!!??」
「まさか、そのようなことまで・・・」
「ちょっと、ナニを想像してるわけ、二人とも。そんなわけないでしょ」
「はぁ!?お前、俺に向かって『僕と千鶴ちゃんが”一心同体”だからだよ』とか、ふざけたことほざいてただろうがぁああっっ!!」
「「総司・・・」」
「だから、知らないって。信用ないなぁ~」
「総司だもんなぁ」
「総司だからな」
「・・・本当に失礼だよ、二人とも。・・・ねぇ、千鶴ちゃん、これってどういうこと?」
この三人では状況を把握できないと踏んだ沖田は、状況を把握しているだろう千鶴へと声をかけた。
それと同時に三人の視線も一斉に千鶴へと向く。
携帯を手に俯いていた千鶴は顔を沖田へと向けたが、その表情は少し困ったような色を浮べている。
そして、沖田へ謝罪の言葉を告げた。
「すいません、沖田先輩。ご迷惑をおかけしてしまって・・・」
「うん。それより、どういうことか説明してくれるかな?」
「はい・・・」
素直に頷いた千鶴は、なぜか頬をほのかに紅く染め、恥ずかしそうに説明の言葉を口にした。
「あの、実は、薫ったら夢を見たらしくて・・・」
「夢?」
「はい。沖田先輩が朝早くから私の部屋にいた、って」
「僕が千鶴ちゃんの部屋に?」
「はい・・・。朝早くから私の部屋に来たと思ったら、そんなことを口にしてたので・・・。本当にすいません」
「なるほどねぇ。教えてくれてありがとう、千鶴ちゃん」
「い、いえ。だって本当に”沖田先輩”はいませんでしたから」
「ふーん・・・」
「あ、あのどうかしましたか?」
「ううん、なんでもないよ?」
「そうですか」
ほっとしたように笑顔を向ける千鶴に対し沖田も笑顔を向ける。
けれどその瞳は何かを探るような眼差しだった。
「”誰かさん”に似てるんだよねぇ・・・」
「先輩?何か言いました?」
「何も言ってないよ。それより、君の戯言だったみたいだねぇ~、薫?」
「戯言っっ!!?僕は確かに沖田を見たんだけど。千鶴っ、沖田を庇おうとしてもダメだぞっ!」
「庇うって・・・私は本当のことしか言ってないってば!”沖田先輩”は私の部屋にいなかったの!!」
「千鶴っっ、まだコイツを庇うのか!?血の繋がった兄さんよりも赤の他人の沖田をっ!!」
「・・・(沖田先輩”は”ねぇ)」
ますますヒートアップしそうな勢いの薫を宥めたのは斎藤だった。
斎藤の冷静な言葉が薫さえも戸惑わせる。
「薫、いい加減にしたらどうだ。雪村が嘘をついていないのは確かだと思うが。お前もそのことはよく分かっていると思うが」
「そ、それは・・・」
「確かにそーだよなぁ。千鶴、嘘なんてつけねーし」
「うん、千鶴ちゃんは素直だからねぇ」
そう、千鶴は基本的に嘘はつけない質だった。
そのことは兄の薫だけではなく、新選組メンバーも重々に承知している。
千鶴が事実とは異なることを意図的に言おうとすると、目が泳いだり、どもった言い方になったりと非常に分かりやすい態度になる。
自分では気づいてはいないようだが--
だが今の千鶴の様子を見ていると、目を泳がせていることもなく、言葉もしっかりしている。
千鶴に嘘をついているという罪悪感の兆しは見えない。
「けど、僕は・・・」
「おい、てめーらいつまでもなにやってやがるっっ!!!」
「薫がおかしな言いがかりつけるから煩いヒトが来ちゃったじゃん」
なおも薫が言い募ろうとすると、この学園の教師であり新選組をまとめている土方の怒号が響く。
・・・当たり前である。
遅刻云々を言う前にすでに授業が始まろうとしている。
土方が来たことでひとまずの収束がつき、各々が教室へと向かう。
教室へ向かうために沖田たちと別れ、平助と一緒に1年のクラスへと向かう千鶴はそっと振り返り沖田の背中を見送る。
だが、その目は”憧れの先輩”を見つめるというものでなく、あえていうなら”敵かどうかを見極める”というようなものだった。
「あれが”沖田先輩”ねぇ・・・。ほんと、ソックリすぎてイヤになるよねぇ」
「なんか言ったか、千鶴?」
「ううん、何も言ってないよ?ほら、早く教室に行こ?」
「お、おう」
沖田から教室の方向へと視線を戻した千鶴の背を、沖田もまた何かを見極めるかのように見ていた--
【第4話・了】
‡‡後書き‡‡
なんか、無駄に長くてスイマセン(汗)
色々と詰め込み過ぎました(大汗)
さて、薫vs千鶴、沖田vs千鶴はいかがでしたでしょう(笑)
(・・・vsになっていたかはともかく;)
千鶴ではなく、ソウシだったんですけどね♪
1話でもちょっとだけニュアンスだけ書いてましたが、
千鶴inソウシですvv
ソウシは千鶴ちゃんの身体を借りることができるんですねぇ~~。
はい、理空の趣味デス。(キッパリ)
では、お読みいただきありがとうございました!!