【君の純情、僕の欲望】沖田x千鶴
2010/05/21 01:36:37
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巡察を終えて部屋に戻ろうと広間を通りかかると、何やら面白いことになっている千鶴ちゃんの姿が僕の目に入り込んできた。
何かを手にしたまま、固まっている千鶴ちゃんの姿が。
背後から忍び寄った僕は千鶴ちゃんの手の中のものに視線をやる。
あぁ、なるほどねぇ。
確かに、千鶴ちゃんには刺激が大きいかもね。
僕の口元には自然に笑みが刻まれる。
この娘の反応は面白い。
本当に面白いくらいに期待以上の反応を返してくれる。
だから、僕はいつも千鶴ちゃんをからかって遊びたくなるんだ。
故意に千鶴ちゃんの耳元に口元を寄せて、今の千鶴ちゃんにも言葉の意味が届くように、殊更ゆっくりとその言葉を強調した。
「やだな、千鶴ちゃんの、す・け・べvv」
「っ!!???」
「千鶴ちゃんって、そういうのに興味あったんだ?」
「お、お、おき、ど、どっし?!いえ、ちっ、こ、あ、こ・・はっっ!!」
僕が近づいたことにも気づいていなかった千鶴ちゃんは、大げさなほど肩を震わせながら驚愕している。
そして、身体全体を羞恥に染め上げて混乱している千鶴ちゃんの手から書物を取り上げた僕は、その書物をパラパラと見ながら意地悪な言葉を口にする。
「何言ってるのか分からないよ。ふーん、千鶴ちゃんはこういうのに興味があるんだ。」
「☆□△☆□○××っっーーー!!!」
言葉まで完全に失い、顔を真っ赤にしたり真っ青にしたり忙しい千鶴ちゃんの様子に満足する。
だけど、それだけじゃ物足りない僕は更に追い詰める言葉を投げかける。
「ねぇ、僕と試してみる?・・・この春画と同じ事v」
「な、何を言って・・・?」
目論見どおり、僕の言葉は千鶴ちゃんに届いたらしく、今まで混乱で忙しなかった千鶴ちゃんの動きがピタリと止まった。
そして、頬に紅色を差したまま僕に向く。
その漆黒の大きな瞳に僕が映し出されている。
千鶴ちゃんの視界に僕だけがいることに満足しながら、千鶴ちゃんの柔らかい頬に手を添える。
「あれ、聞こえなかった? この書物と同じ事を、僕と試してみる?・・・って言ったんだよ」
漆黒の瞳は大きく見開かれ、徐々にそこに映し出されていた僕の姿がゆらゆらと揺れていた。
「ひ、酷いです。沖田さんにとってはちょっとした冗談なんでしょうが・・・っ?」
泣くとは思わなかった-。
いつも、戸惑いながらも眉を顰めて僕に挑んでくる娘だったから。
僕としたことが不覚。
そんな泣き顔がカワイイと思うなんて・・・。
千鶴ちゃんの目元に唇を寄せ、涙を吸っていた。
そんな僕に千鶴ちゃんはまた固まってしまったようだった。
「あはは。涙って、甘かったんだね?それとも千鶴ちゃんの涙が特別、なのかな?どう思う?」
「お、おき、おき・・・」
「うん、さっきはからかってゴメンね?もう、”冗談”では言わないよ、”冗談”では、ね」
「え、え、え???」
「じゃあ、広間の掃除頑張ってね。この書物は持ち主に僕から返しとくから安心して」
2回ほど千鶴ちゃんの頭をポンポンとあやすように触れさせる。
そして、去り際に千鶴ちゃんの真っ赤な頬に一瞬だけ唇を触れさせた。
「君の初めては全部僕に予約させてねv今の口づけは予約の証だよ」
それだけ告げると、僕は自室へと戻っていた。
背後で千鶴ちゃんの悲鳴に可笑しくなりながら、ね。
「お、沖田さーーーーんっっ、ど、どういうことですかぁあああ!!????」
【終わっとけ】
‡‡後書き‡‡
あれ・・・?なんで、最後、こんなに甘くなってんだ、沖田ぁあああ!!?
私は、ただ単にからかう話を書こうと思っただけだゾ?
まぁ、いいか。激しくニセモノになったが(汗)
今度は千鶴視点で書こうかな。。。。(ボソリ)