煙の無いところに・・・後篇(総受け)
後編です。
引き続きおかしな内容です(汗)
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--証言3--
某・町娘
ちょっと青みがかった髪で寡黙そうな人だったんですけど。
あ、そうです。確かに右腰に刀を差していたと思います。
実は私、その日、運悪く浪士に絡まれてしまったんです。
怖くてしょうがなくてもう泣きそうになっていたら、ちょっと女顔した男の子が助けに入ってくれたんです。
自分も怖いだろうに、必死に私をかばってくれて。
あぁ、女の子みたいな容姿でも腰に差した刀は飾りではない、中身は立派な武士なんだな~と思って感動しました。
でも次の瞬間、怒り狂った浪士が刀を抜き放って刃をその男の子に向けたんです。
”斬られちゃう!!”って思って、私、思わず目を瞑って悲鳴をあげてしまいました。
だけど、その私の耳に響いたのは、男の子が斬られる音でもなく、”カキーン”っていう固い音と浪士のくぐもった声でした。
男の子に襲いかかった刃を、えーっと寡黙そうな新選組の人が刀で受け止めていたんです。
その新選組の人はすごく強くて、あっという間に浪士達を蹴散らせちゃったんです。
はい?何故、助けたぐらいで”男色”扱いになるのか、ですか。
違いますよ、問題は次です。
浪士に刃を向けられて襲いかかられたとき、その男の子も私も尻もちをついてしまっていたんです。
助けてくれた新選組の人は、すぐさまその男の子に向けて手を差し出しました。
まるで私のことに気づいていないかのように男の子に手を差し出したんです。
くどい様ですけど、男の子に手を・・・・え、もういい?
いいんですか、決定的瞬間はこの次だったんですけど。
あ、やっぱり続けた方がいいんですか。
その男の子の手をとって引き上げると、新選組の人は男の子の手の甲に唇を寄せたんです。
どうやら擦り傷があったようで、「応急処置だ」とか言っていました。
それから「自分の届かないところには行くな」とか言いながら男の子をギュッと抱きしめたんです。
えぇ、本当に私の姿なんて目に入っていないようでした。
男の子のことしか目に入っていなかったんです、実際。
私は結局、男の子にお礼を言うこともできなくて・・・。
いつか、私が正しい道に戻してあげたいわ(ボソリ)
--証言4--
島原・某店の番頭
その日、原田さんは大勢さんでお越しになられました。
はい、確かにイヤに可愛らしい男の子もいましたね。
芸者たちは、戸惑ったような様子が”カワイイ”と騒いでいました。
原田さんもその子を特に可愛がっていたようです。
それから何時間後でしょうか。
私があるお客様の部屋から帰ろうとしたときのことです。
庭に原田さんの姿が見えたのです。
どうやら、男の子が酔ってしまい介抱していたようです。
うちの庭には、湧水がわいていまして。
もちらんお飲みいただけるものです。
原田さんはその湧水を手に汲み、男の子に飲ませようとしてあげてました。
そこまでは、まぁまだ比較的幼い子ですし、大人としての対応なのだと思っておりました。
しかしですね。
次の瞬間、私は目を見張ってしまいました。
水を中々飲もうとしない男の子に対して、なんと原田さんは水を自分の口に含むと男の子の口づけて飲ませたんです。
いくら可愛い顔してても男の子にとは・・・。
しかも、愛しそうな優しげな表情を浮かべながら、男の子の至る所に口づけをしておりました。
そして、その男の子は時折、眠りながらも頬を紅くして甘い声をあげておりました。
「--という証言だったのですが。斎藤さん、原田さん覚えは?」
「・・・・・ある。」
「・・・・・あのときか。」
斎藤、原田もまた真実に気付いたようである。
そんな二人に声と表情だけはいつもの面白がっている風の沖田だったが、その瞳は冷たく光っていた。
「へぇー、一君も左之さんもそんなことしてたんだ。土方さんといい、みんな油断も隙もないよね。」
「何がだ。俺は別にそういうわけでは・・・・。」
「あーー、介抱のつもりだったんだけどよ・・・」
そして、二人はハタと気づいたのである。
「「ってちょっと待て!!油断も隙もないのはお前だろう、総司!お前はアイツに何をした?」」
「あれ、おかしいなぁ。一君も左之さんも僕の話には興味なかったんじゃなかったけ~~??」
「お前の話になど興味はない。だが、アイツを巻き込んだというなら容赦はしない。」
「確かに、アイツに何かしたってんだったら黙ってられねーな。」
「・・・なに、やる気?僕は構わないけど」
腰の刀に手をかけ、睨み合う三人。
今にも戦いを始めそうなピリピリとした空気が大広間に広がる。
だが、ある人物の能天気そうな声によってその空気は破られた。
「んんーー??ちょっと待って。あれ、どういうことなわけ??さっきから考えてたんだけどさぁ。つまり、土方さんも総司も斎藤君も左之さんも、本当は男が好きってこと??」
平助に男色扱いされた四人は、即座に平助に向けて殺気を纏う。(そのうち一人は、笑顔で殺気を放っていた)
「「「「違う!!!」」」」
「え、だって、覚えあるって認めたじゃん。」
「「「「でも、違うっっ!!!」」」」
そして、四人は山崎に視線をやる。
言外に”どうせ、平助の証言もあるんだろう。”と告げていた。
「はい、ありますよ。藤堂さん、あなたの証言もあるんですよ。」
「え、俺ぇええ???」
--証言5--
某・お茶屋の店主
その方でしたら、何度かお見かけしましたよ。
たまに、二人連れでいらしゃいますし。
え、お連れの方の特徴ですか?
背は低く、華奢でかわいらしい顔をした男の子でした。
あと艶やかな黒髪を高く一本に結っていました。
・・だからですかねぇ。
あ、いやこれは私が感じただけの・・・それでもいいと?
分かりました。では、お話します。
何度かお二人で来られて、お茶をしながら楽しそうにお話をしていますよ。
最初の頃なんて、まだ初心な男女の逢瀬のように会話が少なかったんですけどねぇ。
その方は顔を赤くされながら、ひたすらお茶を啜っていました。
お連れの方は、少し困ったような顔をしてその方の表情をたまにチラッと伺っていました。
でも何度かいらっしゃるようになって慣れてきたのか、お二人とも楽しそうにお話するようになりました。
私が見るに、あの方はお連れの方にホの字ですねぇ。
確かに、お連れの方はその辺の少女よりも可愛らしいですからね。
その方の気持ちも分からないでもないですよ。
「・・・ということでしたが。」
「あ。」
「気づかれましたか、藤堂さん」
「う、あー、なんだその・・・」
山崎は、幹部たちに視線を向け証言の終わりを告げるのだった。
そして、若干山崎の額には堪忍袋の緒が浮かび、今までの様子をハラハラした様子で見守っていた近藤の額には冷や汗を浮べている。
「証言は以上です。・・・本当に皆さん、気をつけてください。雪村君のことは”秘密”なんですよ!!皆さんがバラすような行動をとってどうするんですかっっ!!!」
だが、5人の男たちはそれぞれの証言を聞き、すべてを理解すると苛立ちを覚えた。
つまり、自分以外の男が千鶴と甘いメモリー(笑)を育んでることが許せないのである。
そのせいで、山崎の言葉も半分ぐらいしか耳にはいらず幹部たちはお互いに視線で牽制しあっている。
「み、皆さん、いい加減に・・・」
山崎の怒号が、その広間に響き渡ろうとしたときだった。
遠慮がちな涼やかな声が広間の男たちの耳に届いたのは。
「あの、お話中に失礼します。千鶴です、お茶をお持ちしたのですが大丈夫ですか?」
男たちは瞬時に視線だけで停戦を決めると、土方が千鶴に了承の言葉を告げる。
「あぁ、すまないな。入っていいぞ」
「はい、では失礼します」
千鶴がそこに”居る”というだけで、先ほどまで冷たい空気で満ちていた部屋に花が咲くような暖かさが生まれる。
だが、それも一瞬のことだった。
お茶を差し出すついでに、近藤、土方へ告げた千鶴の言葉によって再びその空間には冷気が纏う。
「あの、お夕食の食材が足りないので買い出しに行きたいので、どなたかにご一緒していただけますか?」
少し首を傾げながら問う千鶴の姿は非常に愛らしかった。
そんな千鶴のお伴を買って出る輩はいくらでもいるもので、”千鶴との逢瀬(デート)”(←買出しです!!)をかけて、広間は再び戦場へと変じたのだった--
そして、その戦場から少し離れた場所では、呆れたように見ている山崎と、何が何だか分からず疑問符を浮かべる千鶴の姿があった。
「あのぉ、山崎さん。皆さんはどうなされたんでしょう??」
「はぁー。君が気にする必要はない。それより雪村くん。買い出しとか言ってなかったか?」
「はい、そうなんでが皆さんお忙しそうですね。でも、どなたかにご一緒してもらわないと・・・私一人では出歩けませんし、荷物も多いので」
「そうか。じゃぁ、俺が着いていこう」
「よろしいんですか?」
「あぁ。これを収束するのを待ってたら、いつになるか分からないだろう」
「では、すいませんがお願いします」
こうして、騒ぎをよそに千鶴は山崎を伴って買い出しに出かけたのだった。
【終わっとけ】
††後書き††
はぁ、疲れた~(=。=)
すいません、なんか収集のつかない話になって;;
人がたくさんいると大変ですね★
いまだにキャラつかめてなくて崩壊してるし(大汗)
しかもまさかの山崎落ち・・アレ?
私は沖田派だが。。。。
つーわけで、沖田編の「証言2」は別途書きますよ!!
ヌルイと思いますケドvv