*第1話*最後の願い
シリーズものを始めたいなぁ・・・と思って始めちゃいました☆
二人の沖田がいますがそれでもOKでしたら、ぜひドウゾv
この話には、
沖田ルートBADの沖田と、SSL沖田が出る予定です。
この1話目には、SSL沖田はちょこっと名前がでるだけですが。。。
基本、コメディ系、たまにしんみり。。を目指してます。
急いで書いたので、後々改定するかも。(そのときはお知らせします)
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▼開く?▼
最後に見たのは君の泣き顔だった。
君ひとりを残してしまうことが、ただ心残りだった。
どうか泣かないで。
君の笑顔をもう一度見たいと、
僕が---ちゃんを幸せにしたいと・・・・
願った。
身体が滅んだとしても、僕の心は永遠に君のものだよ--
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「まさか、断ったりしないよね?」
私の目の前にいる彼はニッコリと笑いながら無言の圧力をかけてくる。
(なんで、こんなことになってるのかなぁ~。
先輩と間違えて助けを求めただけだったのに--)
コトの始まりは、遡ること数時間前--
クラスの用事が長引き、帰りが遅くなってしまった少女は不良たちに捕まってしまっていた。
この薄桜学園はつい最近共学になったため、女生徒は少女一人だった。
そのせいか、狙われることが多い。
そこで、学園の秩序を守るために秘密裏に組織された”新選組”が、学園ただ一人の女生徒である少女を護衛するという役目も負っていた。
つまり、普段は”新選組”の誰かしらが少女の傍にいたのだ。
だが、今日は運が悪く皆が用事があり、少女一人となってしまった。
もちろん、”新選組”のメンバーは自分以外の誰かが少女に着いていると思っていたのだが--。
そんなわけで、絶好のチャンスとばかりに不良たちに捕まる羽目になってしまった。
断っても不良たちは諦ずに少女に近づいていく。
困ってしまった少女は、普段皆から言われていることを実践に移すべく慎重に相手を窺う。
曰く、
其の一、相手の隙をついて逃げろ!!
その言葉に従い、少女は不良たちの隙をついて素早く身体を反転させると一心不乱に走った。
だが、不良たちは諦めが悪く少女を追いかけてきたのだ。
どう走ったか分からないままに必死に逃ているうちに、少女は校舎裏の森林へと迷い込んでしまったようだった。
背後からは未だに不良たちたちの声が聞こえ、少女は隠れる場所を探すために辺りを見回した。
すると、そこに知り合いの姿を見つけ、少女は知り合いの男の元へと駆け寄った。
「先輩っっ!!はぁ、はぁ、助け・・・てください」
だが、息も絶え絶えの少女にその男・・・少女の先輩であり、”新選組”メンバーであるはずの男は少女を不思議そうに見つめてきた。
「君、僕が見えるの?」
「あの、先輩?」
(”見える”ってどういうこと?)
少女は追われている所に見知った先輩の顔を見つけて安堵したために上半身にしか視線がいっていなかった。
だが落ち着いてみると、男が自分の知る先輩と微妙に違うことに気付いたのだった。
木々の隙間から差す月光に照らされて、先輩だと思ったその男の姿がはっきりと少女の目に映る。
その男は、確かに少女の知っている”先輩”に似てはいるけれど、どことなく人離れした雰囲気があった。
そして、まるで教科書で見る開国頃の洋服を身に纏い、腰には刀を差した出で立ちだった。
少女の頭が混乱をきたす。
先輩ではないらしい、でも顔は先輩にソックリで。
すっかり目の前の男に思考を奪われていた少女の耳に不良たちの怒号が入り込んできた。
その音は徐々に大きくなっていき、少女の焦りも比例するように増した。
「ど、どうしよう・・・」
「なに、君追われてるの?ふーん・・・じゃ、僕が”護って”あげるよ」
「え・・・?」
今まで考え込むように黙っていたその男が唐突に言葉を発する。
けれそ、突然のことでその言葉の意味までは少女の脳には届かなかった。
「僕が”見える”ってことは君とは相性いいみたいだしね・・・(やっと”見える”存在を見つけたんだ、逃がさないよ)」
「どーいう意味・・・」
少女は問い返そうとしたしたが、その男の行動に言葉を失ってしまった。
その男は、少女の左胸の上に手を置く。
それに驚愕した少女は声を悲鳴を上げそうになったが、実際には音になってでることはなかった。
ただ、その男の声だけが空気を震わせる。
そして、少女の心臓の音がどんどんと大きくなっていく。
「うん、やっぱり相性いいみたいだね♪それじゃぁ、借りるよ?」
男の悪戯っぽい笑顔と悪戯っぽい言葉を最後に、少女は意識を失った--。
「さぁて。君たちの相手は僕だよ、覚悟してね?」
その言葉を口にした少女の口元には笑みが描かれる。
そして、それを合図とするように少女の小柄な身体は闇夜を舞ったのだった。
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「ねぇ、”千鶴ちゃん”いい加減に目をさましてくれないかなぁ。」
見知った声に私の意識は覚醒を促される。
瞼を瞬かせ目を開けると、そこには見知った顔の、でも違う人が私を覗き込んでいた。
「やっと、起きてくれたね。」
「え、あ、ここはっっ!!??」
「やだなぁ、君の部屋でしょ。」
「な、なんで、私の家を知って??・・それに何で私の部屋にいるんですか??さっきの不良の人たちは!!??それに、あなたは誰なんですか!?」
「いっぺんに質問されても答えられないんだけど。何から答えればいい?」
次々と浮かぶ疑問のままに質問をぶつけると、はぁ、と業とらしい溜息をつきながらも説明はしてくれるようだった。
「まず1つ目。君のことは君の記憶をちょっとだけ見させてもらったから。」
「み、見る!?」
「そっ。あ、安心して。今は家のことしかみてないから。・・・今は、ね」
「なんか、ぜんぜん安心できないんですが・・・」
「ん、なにか言った?」
「イエ、ナニモ・・・」
なんだか、本当に似ているのですが。
私のよーーく知っている先輩に。
「2つ目は、君の”守護霊”になってあげよう~かなぁって思ってるから千鶴ちゃんの傍にいるのは当たり前でしょ。」
「はいっっ!!??」
なんだか、聞きなれない言葉が。。。
というか、もしかしてこの人って・・・
「もちろん、幽霊だよv」
私の視線で何を言いたいのか察したのか、幽霊さんは常より称えた笑みを崩さないまま問題発言をアッサリと告げてくれた。
呆然としてしまう私の気持ちも察して頂きたいです。。。
「ゆ、ゆーれーい・・・っていうか、”守護霊”ってなん・・・」
「それで3つ目ー。君を追いかけてた男たちは僕が倒したよ。あ、大丈夫、殺してはないから」
「こ、ころ!?”そんな軽々しく”殺す”とかは・・・」
「最後の質問だけど、僕は”ソウシ”。・・・多分ね」
「多分ってどういう・・・」
”ソウシ”さんはことごとく私の言葉を邪魔するかのように自分の言葉を紡いでいく。
けれど、先ほどまでが嘘のように”ソウシ”さんの顔からは笑みが消え、寂しげな声が私に向けられる。
「覚えてないんだ、自分のコト。僕が分かることっていったら僕が生きてた頃の”最後の願い”を思い出せば成仏できるってこと。その為には誰かの守護霊にならないといけないってことだけなんだよね。」
そのことに私の胸がツキンと痛んだ。
なぜか、”ソウシ”さんのそんな表情は見たくなくて--
私も切なくて俯いてしまうと、突然明るい調子に戻った”ソウシ”さんの声が私に向けられる。
「というわけで、これからよろしくねv」
「はい・・・?よ、よろしくとは・・・」
「やだなぁ、言ったじゃない。僕、君の守護霊になるからって」
「だ、断定なんですか!?私、まだ何も言ってませんよ!!」
恐る恐ると、視線だけ”ソウシ”さんに向けて伝えると、今まで以上の笑みを浮かべたソウシさんの姿があった。
そして、冒頭の言葉となる・・・。
「君は、困ってる人を見放すような娘じゃないよね?」
「でも・・・、ソウシさんは”人”ではな・・・」
「何が不満なわけ?僕が君の守護霊になるのが嫌なの。それとも君は僕のこと”要らない”のかな・・・」
「そんなこと絶対ありません!!」
私は思わず強く否定していた。
冗談でもそんな言葉は聞きたくなった。
ついさっき会ったばかりの幽霊さんなのに、まだ”ソウシ”さんのことを知ってる訳でもないのに、私の”心”が否定していた。
先輩に似てるから・・・ってだけじゃなくて、なんだかよく分からない感情に私は戸惑いを覚えた。
「えと、で、でも・・・実は”ソウシ”さんって私の知り合いに似ておりまして・・・。なんか、落ち着かない、といいますか」
「駄目、かな?君の守護霊になって僕は”最後の願い”を思い出さないといけないんだ。・・・絶対に」
再び悲しげな瞳を向けられた私は、自分が酷いことをしているような気になった。
そして、気付いたら了承の言葉を告げていた。
「わ、分かりました(>△<)協力しますっっ!!」
「そ?じゃぁ、”契約”成立ね♪ よろしくね、”千鶴”ちゃん」
はっと、自分の言葉に我に返ったときには遅く、ソウシさんは、さっきまでの悲しげな表情から一変してニンマリと笑みを浮べていたのだった。
あぁ、こんなこと”先輩”に知られたら、きっとまた苦笑を浮かべながらこー言うんだろうなぁ。
「本当に君ってお人よしだよね。」
「っっ!!!」
「まぁ、僕は楽しめそうで嬉しい・・・じゃなくて、助かったけどね♪」
うぅーー、本当に心臓に悪いです。。。
お願いだから、
本当にお願いしますから、
沖田先輩と同じ顔、同じ声で、同じようなこと言わないでーーーーっっっ!!!!
【第一話・了】
後書き
な、何だコレ★
沖田と沖田。。。。
意味不明でスイマセン(汗)
シリーズものにするにあたってまだ出してない設定とかもあるので、徐々に出していけたらなぁーと思います。
こんな設定でも良ければお付き合いくださいませー♪♪