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ある日の沖田さんの1コマ 

1コマ_01

市中見回りの当番でもなく、かといって特に仕事もなかった総司は暇を持て余していた。
稽古までの時間をどう潰そうかと思案しながら適当にウロウロしていると、隊服を干している千鶴の姿があった。
額にジワリと汗を浮かべがらも一枚一枚を丁寧に竿へと干していく。
その丁寧な仕事からは千鶴の心が表れている。
新選組ことを大切に想う彼女の気持ちが。
そんな風に一生懸命なせいか、それとも総司がわざと気配を殺しているからかは分からないが、すぐ背後まで寄ってきている総司にさえも気づいていないようである。
あと一歩で千鶴に触れられる辺りで歩みを止めると、クルリと反対側を向く。
千鶴と背中合わせになるように。

「ふー、これで、最後っと・・・」

最後の一枚を干してパンパンと皺を伸ばしているときだった。
急に背中へと重みが生じた。

「きゃぁうぅ!!??」

何の警戒もしていなかった千鶴は、行き成りのことに甲高い悲鳴をあげてしまった。
総司は想像どおりの反応に気をよくして笑みを深める。
そしていつもの飄々とした声色で尋ねる。

「ねぇ、洗濯終わったぁ?」
「そ、その声は沖田さん!!ど、どうしたんですか!?」
「暇だから千鶴ちゃんで遊ぼうと思って♪」
「な!?”私で”ってどういうことですかぁ!?」
「そのまんまの意味だよ?だって千鶴ちゃん面白いんだもん。本当、千鶴ちゃんといると退屈しないよね~」
「うー。それより、沖田さぁん・・」
「ん?」
「お、重いですぅううう!!」

青空の下には、困惑した千鶴と満足そうな総司の姿があったとか。
ある日のちょっとした出来事だった――。
 

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