すうぃーと・はろうぃん
本日、ハロウィンということで、SSL設定の沖x千ハロウィンSSです。
すいません、読み返していません。
色々と拙いかと思います。
とりあえず、沖田にある一言を言わせたいがためにやりましたv(←をい)
それでもよろしければ、「読んでみる?」から本文へドウゾ!
▼読んでみる?▼
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10月31日――。
今年から共学となった誠桜学園では、近隣の住民との交流を深めることを目的にハロウィンパーティーが開催されることになった。
学園の宣伝も含めているのだろう。なんせ共学とはいえども女生徒は一人しかいないのだ。
だが、そんな事情は生徒には知ったこっちゃねーということで割愛する。
「千鶴ちゃん、すごく似合うよ!!」
「・・・ありがとう、お千ちゃんも似合ってるよ・・・でもこれちょっと短くないかな?それに・・・・」
「そうねぇ・・・男どもに千鶴ちゃんの柔肌を見せるのは気に食わないわね。狼の群れに餌を投げ入れるようなものだわ」
「せ、千ちゃん??」
千鶴は千の言っている意味が分からずに小首を傾げている。
千本人といえば、重大事に思案するような難しい表情をしながら千鶴の格好を頭からつま先までジッと眺めた。
順に、黒い尖がった帽子、かぼちゃのチョーカー、肩が丸出しとなった黒いミニのワンピース、二の腕まであるサテンの黒い手袋、編み上げのブーツが千の視界へと入り込んでくる。
肌の見え方が黄金比率にでもなっているのではないかというほど、絶妙なバランスで黒色と肌色のコントラストがそこに存在していた。
恥ずかしそうにしている表情と、少し露出気味であるその衣装とのギャップがさらに千鶴を愛らしくしていた。
「・・・やっぱり千鶴ちゃん、可愛いv・・・そうね、私が千鶴ちゃんを守らなくちゃ!!」
思わず千鶴の愛らしさに微笑ましくなって、見惚れていた千はコクコクと頷きながら決意するのだった。
「えと、千ちゃんどうかしたの?」
「あ、うんうん。なんでもないの。ちょっと肌寒いかもしれないし、これを羽織っておきましょう」
千鶴の声にハッと我に返った千は、千鶴を安心させるようにニッコリと微笑を浮かべながら千鶴の肩へと黒いマントを被せたのだった。
「ありがとう、千ちゃん」
「いいのよ。じゃぁ、行こうか?」
「うん」
お菓子や手作りのマフィンを入れたバックを手にした二人は、女子更衣室になっている剣道部室を後にした。
千鶴はチラリとバックの中に忍ばせてある綺麗にラッピングさせたマフィンに視線を走らせると、微かに頬に朱を差したのだった。
(先輩に渡せるといいな)
ハロウィン・パーティの開始は日が暮れ始めた頃合から開始された。
学園の廊下や教室を照らすのは夜空に浮かぶ月や星、カボチャのオラウンタのオレンジ色の灯だけだ。
勿論、学園を開放して子供たちを中心にした近隣の住民を招き入れるのだから問題が起きないように対策は講じられている。
教師、風紀委員、秘密裏には”新選組”メンバーが見回りにへと当っていた。
例によって運営側も仮装は必須ではあるが。
「お姉ちゃん、トリック・オア・トリート!!」
カボチャのお化けの格好をした少年や包帯を巻きつけた少年、頭に猫耳のカチューシャをつけた少女など様々な仮装をした子供たちが、満面の笑顔を浮かべながら千鶴へと手を差し伸べた。
「トリック。はい、どうぞ」
ニッコリと微笑みながら子供たちの小さな手にお菓子を乗せていく。
手の中にあるお菓子に、子供たちもまた笑みを浮かべると、はしゃぎながら去っていったのだった。
少し歩くだけで子供たちから声をかけられてお菓子をあげるというのが続いた。
途中では、本部で委員の人間に指示を出したりと忙しくしている土方、近藤に会い、見回りに当ってる原田、永倉、平助、斎藤、薫にも会った。その度に「お疲れさまです」と微笑みながらマフィンを手渡した。
忙しい中で、千鶴のその微笑みに癒されたことは言うまでもないだろう。
「千鶴ちゃん、どうかしたの」
そろそろ終了の時間もせまり、たった今、最後のお菓子を手渡した子供たちの背中を見送った千鶴がキョロキョロと辺りを見回したのを目の端に捉えた千は千鶴へと問いかけた。
「あ、ごめんね。なんでもないの・・・」
一瞬だけ寂しそうに瞳を伏せた千鶴の視線の先には、翡翠色のリボンでラッピングされたマフィンがある。
「・・・沖田さん、探してたの?」
「え!?・・・あ、違うの、えと、他の皆には会えたからマフィンを渡せたけど沖田先輩だけ会えないから・・・忙しいのかなって思っただけで、その、深い意味は・・・・」
「ふふふ・・・千鶴ちゃん、顔が真っ赤よ」
「えぇえ!?うそ・・・・」
千の言葉に千鶴が頬を両手で覆ったとき、千鶴のマントがクイクイと引かれた。
「トリック・オア・トリート!!」
満面の笑顔を浮かべた少年が千鶴へと小さな手を差し出していた。
「あ・・・・」
千鶴も千も、お菓子は先ほどで全部配り終えてしまっていた。
子供の期待に満ちた瞳に見つめられた千鶴は迷うことなく、それを子供の手に乗せた。
翡翠色のリボンがかけられたマフィンを―――。
「トリック。はい、どうぞ」
「ありがとう、お姉ちゃん!!」
パタパタと少年が去っていくのと同時に、ゴーンゴーンと終了の鐘が鳴り響いた。
「良かったの、千鶴ちゃん?あれって・・・」
「うん、いいの。今日は沖田先輩に会えるか分からないし・・・。あの子に食べてもらった方が良いよ。沖田先輩には、次の機会もあるんだし!ホラ、制服に着替えに行こうよ」
「・・・・千鶴ちゃん」
二人が更衣室の剣道部室の扉の前まで来たところで、千だけがふと足を止めてある場所に視線を向けた。
建物の影に何かを見つけたようだった。
「千ちゃん、どうしたの?入らないの?」
立ち止まったままの千に千鶴が不思議そうに声をかける。
「いけない、私ったら忘れ物してきちゃった。ごめんね千鶴ちゃん、私ちょっと取ってくるから先に着替えてて!!」
「え・・・・」
千鶴が反応するよりも早く千は校舎へと駆けていたのだった。
暫く状況を飲み込めずに呆然と突っ立ていた千鶴だったが、こうしていても仕方がないと部室の扉を閉めた。
シーンと静まり返った部室に寂しさを感じずにはいられない。
すぐに千が戻ってくると分かっているのだが、何故か強い寂しさを感じた。
ジワリと瞳に熱いものが溢れそうな感覚に唇を噛み締めた瞬間、部室のガラス窓がコンコンと音をたてた。
この部室は二階にあるというのに、窓が音をたてることに千鶴は不安を感じた。
風でもなく、何か硬いものか何かで窓を叩く音だった。
僅かに肩を震わせながらも恐る恐ると窓へと近づいていく。
そして、深呼吸をついて窓を開け放った。
「Trick or Treat!!」
部室の隣にある木の枝に腰をかけた狼男が、夜空に浮かぶ満月をバックにして楽しそうに微笑んでいる。
その姿に千鶴はただ、その目の前の人物の名を呟いた。
「お、きた、せんぱ・・・?うそ・・・・」
呆然と沖田を見つめる千鶴と視線を交わした沖田は、枝の上で立ち上がると、部室の窓へと飛び移った。
尻尾を揺らしながら、窓枠へと飛び移ったその身軽さは、本当に狼男のように見えた。
「よっと・・・”うそ”ってなに?正真正銘、”沖田先輩だけど?・・・あ、違うか」
窓枠から部室の中へと入り込んだ沖田は千鶴が座り込んでしまっていた傍らへと膝をつき、千鶴との視線を合わせる。
「え?」
「今夜の僕は君を狙う”狼男”、かな」
茶目っ気たっぷりにウィンクする沖田に、千鶴は咄嗟に顔を紅く染め上げてしまう。
「で、千鶴ちゃんどっち?」
「ど、どっちとは?」
「あれ、聞いてなかったのかな?僕、さっき”Trick or Treat”って言ったんだけど」
「え、あ・・・で、でも今日のは子供たちだけですよ」
「そうだったけ?いいじゃない、別に。それとも、千鶴ちゃんは僕にはマフィンをくれないの?」
「な、なんで!?」
思わず声を上げた千鶴に、沖田は、はぁ、と溜息をついた。
「なんでもなにも、僕意外の皆にはマフィンあげたんでしょ。皆、美味しそうに食べてたなぁ・・・・僕を差し置いてね」
「あ!!そ、その沖田先輩にもお渡ししたかったんですけど、あの、会えなくて・・・・」
沖田の声色が少し低くなったことを感じて、千鶴は慌てて説明し始めた。
「まぁ、僕は寛容だから許してあげるよ。・・・・ってことは、千鶴ちゃんの答えは”Trick”なんだよね?」
再び、笑顔を刻んだ沖田は千鶴へと手を差し出してくる。
その笑顔になにか含みを感じないでもないが、千鶴としてはそれどころではなかった。
なぜなら、マフィンどころかお菓子の一つも無いのだから。
「え、えーーっと・・・・」
自然と千鶴の目が泳ぎ、背中に冷や汗が伝っていくかのようだった。
「ん?どうしたのかな、早くちょうだい」
「・・・ご、ごめんなさい!!実は、さっき男の子にあげちゃって無いんです」
「ふぅん、男の子に、ね。・・・・・マフィンはないんだ?残念だけどしょうがないよね」
「沖田先輩・・・」
覚悟を決めた千鶴はギュッと堅く目を瞑って、沖田へと謝罪の言葉を口にした。
沖田が残念そうに呟く姿に千鶴は何だか罪悪感でいっぱいになってしまう。
「でも、他のがあるよね。僕の一番の大好物がv」
「え?大好物?」
お菓子どころが食べ物一つ持っていない千鶴は、沖田の言葉に戸惑うばかりだった。
クスリと沖田は口端を吊り上げて笑みを刻むと、正面から千鶴の瞳を見つめる。
「そう。一番の、だよ・・・・すごーく甘くて、やみつきになっちゃうんだ♪」
そろりと千鶴の頬に沖田の大きな手が添えられる。
千鶴は、沖田の妖しげに細められた翡翠色の瞳から目が逸らせなくなってしまった。
段々とその瞳に映る自分の姿が大きくなっていく意味さえも把握ができない。
「んっ・・・ぁ」
気づけば、身体を強く抱きすくめられながら唇を触れ合わせていた。
唇を塗れた感触が這い、その温かな感触に思わず僅かに開くと、それが口腔を蹂躙していった。
千鶴はその溺れそうな感覚の中でトローンと瞳を潤ませながら沖田の背をギュッと握る。
沖田はその千鶴の表情に満足そうに瞳を細めて、その口付けを更に深めていったのだった。
<END>
★★後書き★★
あれ、書きたかったネタが消化できてない・・・?
せっかく仮装してるのにぃい!!
っていうか、どこが”すうぃーと”だ!!
看板に偽り有り、で申し訳ありません!!
あえていうなら最後ですよ、最後!!
本当なら、沖田が登場してからのところを書きたかったんだ、私はっっ!!
そして、私の(書くのが)苦手なエロ流れにいきそうだったんで切りました。
・・・・気ままに書いてるからこういうことになるんだよ、理空・・・。
と、とりあえず、沖田先輩の一番大好きなお菓子は「千鶴自身」というネタでした☆
もちろん、沖田しか食せない”甘いお菓子”ですか、ねvv
因みに、あえて”Treat”の方に持っていかなかったのがポイントです!(活かしきれてないがな)
では、お読みいただき有難うございました!!