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長蛇の列・冬の市編 

○井1に到着しましたが長蛇列なのでまた暇つぶしにSSでも打とうかと。

**********

ショーウィンドゥの前でソワソワしながらガラスに写る自分を覗き込み、千鶴は困ったように眉根を寄せて髪を整えている。
せっかくセットしてきたヘアスタイルが風で乱れてしまうのだ。
昨夜から緊張してあまり眠れなかった千鶴は早朝に目覚めてしまった(というか、ほとんど寝ていない。)千鶴は、待ち合わせの時間までいてもたってもいられず身支度に気合いをいれてこの場にへと来ていた。そして待ち合わせの時間よりもかなり早めに到着してしまったのだ。
暫くすると、風が吹き出しせっかく整えた髪型が崩される憂いに合ってしまったというわけだ。

「あぁ、せっかく直したのにぃー」

直すそばから風が千鶴へと悪戯を施していく。
泣きたい気持ちをこらえて腕時計を見れば、待ち合わせの時間まであと五分ほどだ。

「どうしよ、早くしないと沖田先輩が来ちゃうよ~~」
「うん、もう来てるけどね」

僅かに顔を上げてガラスを見れば、いつの間にか、笑いを堪えている沖田の姿がショーウィンドゥに映し出されている。

「お、お、沖田先輩っっ!?」
「お待たせ、千鶴ちゃん。……っていうか、さっきからいたんだけどね」
「え…さっき、から?」
「うん」
「じゃ、じゃぁ、ずっと見て……」
「うん。髪の毛と格闘してる千鶴ちゃん、可愛かったよ?」
「いやぁあああーー」

顔を真っ赤に染めた千鶴は両手で顔を覆い、その場にしゃがみ込んでしまった。
沖田も千鶴の隣でしゃがみ込み、悪戯っぽい笑みを浮かべている。

「僕のため、なんでしょ? 」
「うー沖田先輩、ズルイです」
「そうだよ。今さらデショ?」
「うぅ~~」
「で、僕のためなんでしょ?」
「…はぃ」
「ありがと♪じゃ、行こうか」

千鶴の手を握った沖田は、繋いだ手を引っ張り上げて立ち上がった。

「お、沖田先輩っ!わ、私まだ髪が……」
「大丈夫!千鶴ちゃんはどんなでも可愛いから!!」
「~~っっ///……ホントに先輩、ズルイです……」

千鶴の呟きは、隣にいる沖田の耳だけに届くと、風にのって消えたのだった。


【End】


あーまだ一階の階段だよ~。
先は長い。

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