【R18】Summer Birthday(郁人x奏)
郁人たん、Happy BirthDay!!
キミに出会えて良かったよ!!
マジでそのツンデレぶりとか、義姉大好きっぷりとか、そのお声に萌えるんですけど!!
・・・すんません、8月3日中に記事だけはアップしておきたかったんでSS途中ですけどアップしちゃいます(大汗)
まだ工□には突入してませんけど、工□ありSSにはなるので、今からR18表記にさせていただきますね。
・・・というわけで、18歳以上の大人の女性で工□もOK!!な方のみ、「読んでみる?」からドウゾ!!
▼読んでみる?▼
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茹だるような暑さが続く夏の日――8月3日。
この日も当たり前のように照りつける太陽の日差しによって外は炎天下と化していた。
その熱気で陽炎が立ち上り、周囲の景色が緩めいて見えるほどだ。
そんな中、学園の夏服に身を包んだ園村郁人の姿があった。
自宅へと向かう足は、今の郁人のイライラした心情を現したかのように急ぎ足になっている。
本来ならば夏休みに突入した8月の平日に学園に行く必要などないのだが、郁人が在籍する学年の登校日が8月3日だったために登校するはめになったのだった。
郁人が物心ついてから今までで、こんなに今日という日を待ち遠しく感じたことがないほどに【特別】な日だったのだ。
それだけに、今日という日が登校日に重なってしまったという事実を知ったときの郁人の落胆振りは目に見えて分かるほどだった
だが、元来から真面目な性質の郁人が登校日をサボるなんてころもなく、義姉の片桐奏に見送られながら泣く泣く登校するに至ったというわけである。
そんなわけで郁人は貴重な【特別な日】を少なくとも半日も無駄にしてしまったのだ。
それでも昼前にはHRが終了した郁人は奏の待つ自宅に急いで帰ろうとしたのだが、運悪くとでもいうのだろうか、姉と同じクラスで友人の白木琴子と小峰竜樹の二人に捕まり、カラオケボックスへと連行されてしまった。
奏と同じ学年で同じクラスであるこの二人は登校日ではないため私服である。
もうひとつ言うならカラオケボックスで歌いまくっていたのは琴子と小峰の二人で、郁人はムスっとしながら二人の歌を聞いていただけである。
琴子によって携帯をモノ質に取られてしまったせいで、帰るに帰れなかったのだ。
何故なら、郁人の携帯には奏から貰った大事なストラップたちがつけられていし、秘密の画像が保存されていることもあり、そのまま帰ることが郁人には出来なかったのだ。
そして、歌うだけ歌った二人もやっと満足したのか、郁人はなんとか開放されることを許されたのだ。
もっとも、二人に拉致されてから二時間近く経っていたわけだが。
何かを企んでいるかのような笑みを浮かべる琴子から直接手渡しで携帯が返されたが、その笑顔に引っかかるものを感じずにはいられない。
だが、かなりの時間を浪費してしまった郁人は今度こそ家路へと着くために、素早い動作で踵を返してカラオケルームを出て行ったのだった。
「ふふふ、あとは家でじっくり【特性】誕生日ケーキを味わえばいいと思うよ、弟くん♪」
そんな意味深な琴子の言葉は、急いで帰ることしか頭にない郁人には届いてなどはいなかったのだが。
――琴子の言葉からも分かるように、登校日でもある8月3日とは郁人の誕生日だったのだ。
秘密の恋人である義姉の奏と【恋人】として過ごす初めての誕生日でもある。
ゆえに【特別な日】であり、めくるめく甘い一日を期待していたとしても仕方がないだろう。
そんなこんなでやっとの思いで帰宅した郁人だったが、自宅の玄関へと入って数秒後にフリーズしてしまった。
郁人の視線の先にいるのは、義弟兼恋人の郁人の帰りを出迎えている奏だ。
だが、何時もと違うその格好に目が釘付けとなる。
外の暑さや今まで感じていたイライラさえも忘れてしまったかのようにポカーンと口を開けてアホ面を晒してしまっている。――せっかくのイケメン顔が台無しである。
だが、郁人が目を逸らせないのも、呆気にとられて口をパクパクとさせるのも、顔を赤くさせるのも、成人も間近な健全な青少年せある郁人が劣情をいだくのも、すべて仕方がないとしかいえない。
「え、え・・・と、おかえり、なさい、アナタv・・・」
よっぽど恥ずかしいのか紅色に染め上げた頬、伏せ気味な潤んだ目、モジモジと擦り合わせている足、羞恥に震えた声――そんな奏の姿は凶悪なほどにエロ可愛いものだ。
しかも、純白のレースをあしらったエンプロンしか身につけていないように見える。
陶器のように白く滑らかな肌をした、首筋や鎖骨、腕や足が惜しげもなく晒されている。
まるで、【男の夢】である裸エプロンである。
それは郁人の思考を混乱に陥れるほどに予想だにしていなかったものだった。
いや、セルフ妄想の中ではだけなら何度なく奏にさせたことのある格好だし、言わせたセリフではある。
それこそ数え切れないほどに何度も。
実際にやって欲しいと何度も思ったこともあったが、いくら世の男性にとって一般的な【男の夢】といえども、奏にそれを口にする勇気など郁人にはなかった。
そんなことを口にして『変態』と罵られたうえに奏に嫌われたくはなかったからだ。
しょせんは惚れた弱みというやつだろう。
「な、な、姉貴・・・それ?え?えぇ・・・?いや、落ち着けオレ!!どうせ、エプロンの下にはキョミソールとホットパンツを穿いてるとかっていうオチだろっっ!!」
ドクンドクンと煩いほどに早くなっている鼓動を落ち着かせようと、エプロン姿の奏をジッと見つめる。
だが、郁人の期待を裏切って――いや、この場合裏切ってはいないのかもしれないが――なだらかな膨らみの天辺には小さなツッパリがちょこんと左右一づつあり、晒された肌は湯上りのように仄かなピンクに染まっている。
それをマジマジと見やる郁人の喉がゴクリと鳴る。
「っっ!!!・・・つか、これ夢か?オレの妄想・・・痛っ・・・じゃねぇ・・・ってことは・・・・」
目の前の光景が信じ切れずに自分の頬を抓った郁人の目じりに痛みによる涙が浮かぶ。
「い、郁人!?もう、なにやってるの?」
急に自分の頬を抓り始めた郁人に驚いた奏は駆け寄ると、ヒリヒリと赤くなった郁人の頬へと冷たくて気持ちの良い手を添えた。
奏よりも若干、背の高い郁人の目にエプロンの隙間から胸の谷間が見え、目の置き場所に困った郁人は目を彷徨わせ始めた。
「そ、それはオレのセリフだっつーのっっ!!な、なんなんだよ、その格好は、よ」
「え、えと・・・今日って郁人の誕生日でしょ・・・だから、手作りケーキを用意しようと思ったの・・・」
「そーいや、ケーキの甘い匂いがすんな・・・って、そうじゃなくて、ケーキ作るだけでなんで、んな、あー、なんだその、は、裸エプロンなんだっつーの」
奏の言葉にクンクンと鼻をならしてみれば、確かにリビングの方からバニラエッセンスの甘い匂いが漂ってきてはいるが、ただのケーキ作りがどうやったら裸エプロンなどに繋がるのかが分からずに、奏を直視しないような位置へ視線を移した郁人は素朴な疑問を口にした。
「や、やっぱり、私がこんな格好するなんて引いちゃうよね!?」
だが、何を誤解したのか、奏は赤く染めていた顔が蒼白へと一変させる。
そんな哀しげな表情をする奏に慌てた郁人は思わず本音を滑らせた。
「ち、違げーーよ!!むしろ嬉しいっつーの!!そういうエロい姉貴もマジ可愛いつーか・・・」
「え・・・あ、ありがとう?っていうか、恥ずかしいよ、郁人!!」
蒼白となっていた奏の顔が今度は元通り、真っ赤へと染まる。
その様はまるでリトマス紙のようだ。
「な、アンタが勝手にやったんだろうが!!」
「だ、だってケーキの相談したら、琴子と小峰君が『普通じゃツマラナイ』って・・・どうせなら郁人が喜ぶ世界に一つの特製ケーキがいいんじゃないか、って」
「それが何で裸エプロンに繋がんだよ?」
「あ、あのね、ケーキの飾りつけは郁人にしてもらうからなんだけど・・・それで小峰君がどうせなら『男の夢!!の裸エプロンの方が郁人も喜ぶと思うぜ☆』って・・・」
「・・・・・・」
「あ、あれ、郁、人?ど、どうしたの?」
急に黙り込んでしまった郁人に気づいた奏が不安げな声をあげる。
「へぇ・・・『小峰君が』ねぇ」
普段より低い、郁人の”男”の部分を強く奏へと感じさせる声が玄関先に響き、郁人の背後に黒いオーラが見えるようだった。
「い、郁人?ど、どうしたの?ね、こ、怖いよ?」
それは、恋人になる直前のある時期に現れたことのある【黒郁人】のようである。
「べつに怖くなんてねーよ。それより、オレのためにバースデーケーキ作ってくれたんだろ?・・・こんなイヤラシイ格好してまで、さ・・・なぁ、姉貴?」
力強い腕に引かれ、奏の華奢な身体があっという間に背後から抱き締められる態勢になり、すすーとエプロンの裾を捲り上げて郁人の手が奏の触り心地の良い太股を撫であげる。
「んっ・・・郁、人・・・だ、めぇ・・・」