*第7話*嵐の前の静けさ
今回も、総司&チヅ編となております。一応。
斎藤さんも最初の方出張っておりますが。
沖田と斎藤のコンビもいいですよねン。
あと、最後にちょびっとですが、ソウシ&千鶴も登場です!!
(総司&チヅには絡んでいません!)
そうそう、後書きも読んでくださっている方で裏系ネタが苦手な方は注意してくださいね。
一応、後書き中に注意もいれましたが。まぁ、なんてことはないのですが一応。
そういえば、明日は通信録のイベントですねvv
理空は夜の部の方だけ参戦いたします。
参戦される方、お互いに楽しみましょう!!
最近、忙しいので元気を貰ってきたいと思います!!
では、心の準備ができた方は、「読んでみる?」から本文へドウゾ!!
▼読んでみる?▼
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チチチチチ・・・・・
小鳥の囀りが鼓膜を刺激し、眠りの泉に沈んでいた青年の意識を緩やかに浮上させる。
僅かに身じろぎながら青年はもう暫し夢と現の境で微睡むことにしたようだ。
小鳥の囀りでは青年を完全な覚醒に促すには到らなかったと見える。
暫く微睡んでいた青年の耳に、今度はガサゴソという物音が聞こえてきた。
その物音は控えめなものではあったが、気配には敏感になっている青年にとっては完全に目が冴える理由になる。
「・・・・・・・ちょっと一君、煩いんだけど」
不機嫌気味に眉を寄せて、隣へと顔を向ければ剣道着に着替えた斎藤の姿がある。
「すまない、起こしてしまったようだな」
起さないように気を使って準備していた斎藤だったが、沖田だけが目を覚ましたことにそれほど驚きも見せずに静かな声色で謝罪を述べる。
「って・・・・まだ起床には早い時間だよねぇ」
枕元に置いておいた携帯を手にとって、パカリと開き画面を覗き込むと、画面の右上には、”5”と”0”の数字が羅列されている。
起床時間は6時半となっていたはずで、起きるには1時間半ほど早い。
「あぁ、そうだな。だが、俺には日課があるからな」
「ふぅーん。本当に真面目だよねぇ、一君ってさ。学校行事で違う土地に来てても朝練なんてするんだぁ」
『ふあぁ』、と欠伸をしながら両腕を上げて上半身を伸ばした。
テントで地面の堅い場所で眠ったせいか身体の節々が多少の悲鳴をあげる。
「なに?」
なぜお前が知っていると、驚いたような声をあげる斎藤に対して、沖田は柳眉を潜めて斎藤へと顔を向けた。
「え、そこ驚くとこ?その格好見れば嫌でも分かると思うけど」
「あぁ、そういえばそうだったな」
「そうそう。そんじゃまぁ、朝練がんばってねぇ~~・・・・」
「総司」
首を微かに縦に動かしながら納得する斎藤の様子に話も一段落ついたと、再び身体を横たえようとした沖田だったが、斎藤の静かな声によって二度寝の至福を遮られてしまう。
「・・・・なに?」
「練習に付き合わないか」
「はぁ?」
突然の斎藤の申し出に意表をつかれたように、沖田は目をパチパチとさせる。
その瞳に映る斎藤は、常の真面目そうな静かな眼差しをしている。
「お前も朝練をしていただろう」
「・・・・・はぁ。なんで一君が知ってるわけ?僕、誰にも言ったことなかったんだけどなぁ」
「たまに見かけていたからな」
高校剣道界において、薄桜学園剣道部自体が他とはレベルが違いすぎるほど強い。
そしてその中で特に『天才』と名高いのが沖田である。
普段から不真面目な言動が多いのだが、勉強も運動も何だろうと難なくこなす。
生活態度が若干緩いところがあり、遅刻の常習犯でもある沖田は、【努力】という言葉からは程遠い存在だった。
だが、剣道に関しては実は誰よりも真面目であることを仲間たちは知っている。
【天才】が【努力】するのだから誰よりも強いのは当たり前。
その【天才】と同じくらいの技量を持つのが斎藤である。―――まぁ、高校生の括りでいえば、であり、沖田と拮抗する実力者は薄桜学園の教師陣にも存在している。―――
「あははは。一君も人が悪いなぁ、知ってたんだ?」
「まぁな。・・・・久しぶりにお前と打ち合いをしたいんだが」
「そうだね。面白そうだしイイよ」
同じ強さを持つ者と剣を交えることは、斎藤にとっても沖田にとってもワクワクすることなのだろう。
不敵な笑みを浮かべる沖田と、無表情ながらもその瞳は強者への期待の色が浮かんでいる。
それはお互いの力を認めているからこそのもの。
「それじゃぁさ、準備したら行くから先に行っててくれない?」
「わかった」
斎藤がテントから出て行くのを見送ると、沖田は着ていたシャツへと手をかけた。
『ちょ、ちょっと待ってください!!沖田さん何やってるんですか!!』
沖田の着替えを止めるように、可愛らしい声が慌てて悲鳴をあげる。
だが、その声を聞けるものは沖田以外にこの場には存在しない。
斎藤が先に行った以上、他のクラスメイトは未だに眠りの中にいるのだから。
そもそも、その声は携帯に取り付けられた黒ネコのストラップから発せられたもので、波長の合う沖田にしか聞こえないものだ。
―――つまり、この様子を目にする者がいれば、傍目には沖田は【痛いヒト】にしか映っていないだろう。
「何って着替えようと思っただけだけど?」
『それは分かってます!なんで私の目の前で恥ずかしげもなく着替え始めるんですか!!』
思わず黒ネコのストラップから抜け出してしまったチヅの白磁のように白い頬は【羞恥】という名の頬紅で色づけられている。
黒曜石のような瞳を僅かに潤ませながら睨みつけても上目づかいになっているだけで、怖くもなんともない。
むしろ沖田の嗜虐心を煽るほどの愛らしさだ。
「・・・・・ふぅん。チヅは恥ずかしいんだ?」
口角を吊り上げてニヤリと笑むと、沖田はシャツへと再び手をかけて勢いよく脱ぎ捨ててしまう。
『って、なんで言ってるそばから着替えを再開するんですかっっ!!』
よく鍛えられたしなやかな筋肉が顕わになり、自然と視線はその女性好みの筋肉美に釘つけになってしまう。
そんなチヅの様子を面白がりながらも無視して、沖田はズボンへと手をかけた。
『きゃぁーーーーー!!』
さすがに我慢の限界が来たのか、チヅはギュッと目を瞑って黒曜石の瞳を隠した。
すると、視界は黒闇に覆われて何も見えなくなる。
「ぷっ、あはははは。最初からそうすればいいのに」
『へ?』
沖田の笑い声にチヅがゆっくりと目を開くと、至近距離で沖田の翡翠の瞳が自分を覗きこんでいる。
相変わらず上半身は裸のままの沖田だったが、ズボンはきちんと穿いている様子からチヅをからかったのだと分かる。
さらにチヅをからかう魂胆なのか、沖田はチヅへと顔を寄せて目を細める。
「・・・・そんなに僕の生着替え見たかったの?・・・ヤラシイなぁ、チヅは」
『はぃいっっ!?』
混乱も生じているせいでチヅの声が恥ずかしさから裏返ってしまう様子を視界に捉えながら、それに拍車をかけさせるかのように潜める声に艶を滲ませていく。
「だから、最初からチヅが目を瞑ればコトは済む話だったんじゃない?ってことだよ。それなのに、なんだかんだ言いながら僕の着替え見てるから、さ」
『ふ、ふぇえええ?』
「そんなに興味ある?僕の・・・裸に」
『そ、そ、そんな、こ・・・とは・・・・ない、です」
「本当に?」
沖田の指先がチズの顔の輪郭をなぞるようにスルリと撫でる。
「・・・不思議だよね。チヅは幽霊のはずなのにこうやって僕は君に触れることができるんだから」
『お・・・き・・・たさん?』
「僕は興味あるな。千鶴ちゃんの・・・・」
『だ、駄目ですっっっ!!!!私には沖田さんが・・・・・!?』
恥ずかしさの限界から勢いよく沖田から離れながら【私には”沖田さん”というヒトがいるんです】と、チヅは言おうとしていたが、ハタと自分が言おうとした言葉のおかしさに気づいた。
今、自分の目の前に居る人物こそが【沖田さん】だというのにどういうことだろう??、と。
そんなチヅの思考を吹き飛ばすかのように、目の前の沖田は柄にもなくお腹を抱えて笑いこげている。
「あはははは。本当にチヅは可愛いなぁ、からかいがいがあるんだから」
だが、沖田の瞳の奥には動揺の色が僅かに浮かんでいた。
チヅからは沖田の表情など見えないせいで、沖田がどんな想いをそこに秘めているのかなど気づいてはいない。
『も、もしかして、か、からかったんですか!!?』
沖田が自分の反応を見て楽しんでいたことに気づいたチヅの身体がフルフルと震え、口元をギュッと噛みしめて、目端には浮かびそうになる水滴を堪える。
そして、噛みしめた唇を震わせながらチヅは心の底からの抗議の声を張り上げた。
「お・・・きたさんの、沖田さんの・・・・沖田先輩のバカぁあああああああっっっ!!!!!!!」
はぁはぁと息切れがしそうなほどの絶叫をあげながらガバリと布団から上半身を起き上がらせたのは、少女らしい桜色のパジャマに身を包んだ黒髪の少女だ。
『・・・・千鶴ちゃん、朝から絶叫とか近所迷惑だと思うケド?』
「へ?・・・・あれ?・・・・ソウシ、さん?」
『そうだけど・・・なに?』
「あれ??沖田先輩は?」
『・・・・何、言ってんの?”自然体験学習”とやらでいないんじゃなかったけ?そもそも千鶴ちゃんの部屋に朝から居るわけないよね?・・・・もしかして、寂しくて沖田先輩の夢でも見た?』
茶ネコの縫いぐるみに入っているのに、ニヤリと笑むソウシの表情をリアルに想像して、千鶴の頬がプクリと微かに膨らむ。
「そ、そんなこともないもん・・・・・相変わらず沖田先輩が私をからかってるだけだし」
夢の内容を思い出して、頬を朱に染めながら小さな呟きを落とす。
『クス・・・・何、”沖田先輩”の着替えを見ることになってそれについてからかわれた、とか?』
「へ?なんで・・・・?」
『あれ、・・・・図星?』
やけに具体的に夢の内容を言い当てられた千鶴は、驚きに黒曜石のような瞳を見開きソウシを凝視した。
そのことにソウシもまた軽く驚いたようである。
そして、ソウシは何かを考え込むように口を閉ざしてしまたのだった。
「?」
ソウシの様子に首を傾げながらも目覚し時計が示す時刻を目にした千鶴は、支度をするためにベットから抜け出した。
枕元に残された茶ネコの縫いぐるみ、もとい、ソウシの呟きも知らないままに。
『ボクが見た夢と繋がって・・・・る?』
【つづく】
★★後書き★★
今回もここまでお読みいただき有難うございますvv
さて、いかがだったでしょうか。。。
多分、次回何かあるはず。
総司とチヅの方に。
すいません、自然体験学習はまだ終わりましぇん。
つか、なんでこんな話になったんだ?
沖田の生着替えなんて予定になかったのに。
つか、私は・・・・・見たいケド。えぇ、ジックリとvv
って!!私の願望がそうさせたのか!!??
じゃぁ、次は千鶴の生着替えで!!
↓ちょっと卑猥(オイ)。苦手な方は注意!!(R18!!/笑)
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・・・・可愛らしい色とか柄のブラでぇ、レースとかついてたりしてぇ、
その下には白い肌とピンク色の・・・(自主規制/笑)
あぁ、恋人設定の沖田からランジェリーをプレゼントされて羞恥に染まりながらも沖田の希望を叶えてあげちゃう千鶴ちん。。。あー萌えるぅvv
つか、これ守護霊シリーズじゃねーし。
それ以前に『裏』になるっつーの。
・・・・今度、『裏・短編~UnderMoon~』のカテゴリー増やしていいですか?
(ここで聞くな。そしてカテゴリー名も思いつきダロ)
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すいません、自己ツッコミが多くて(汗)
つか、こんな後書きまで読んでくださっているお嬢さんはいらっしゃるのか。。。。